隣の席の君
えっ?
…ここ?


着いたのは豪華そうな綺麗なマンション


「入って」


そう言われて玄関を入った


「…広いね」


リビングに案内されて出た一言


本当に広い


「家を出たいって言ったら親が喜んで用意してくれた
世間の目っていうのを気にする親だから
家と金だけは与えてくれるよ」

寂しそうに笑った

そんな寂しそうに笑って欲しくなくて
笑顔でこういうしかなかった


「頑張ってオムライス作るね」


そう言ってキッチンに入らせて貰った

使ってないんじゃないかってぐらい綺麗


対面キッチンだから、目の前に嵐が座って
こっちを見つめてる


具材を切りながら聞いてみた


「嵐って普段ご飯とかどうしてるの?」


「ん~コンビニか外」


そりゃキッチンも綺麗なはずだよ


「お昼は?」


「パンとか?」


何故に疑問系?


「身体壊すよ?
明日からお弁当作るね」


「えっ?」


「嫌?」


「嫌じゃないけど大変だろ?」


「そんな事ないよ
蒼兄のも作ってるし、2個も3個も変わらないもん
嫌だって言っても作るからね」


そのうち身体壊しそうだよ…


「…ありがと」


ありがと?
そう言ったよね?!?!


オムライスとスープとサラダはすぐ出来上がった


嵐とソファの下に座って
2人で食べる事にした


「「いただきます」」


どうかなぁ

嵐が一口運ぶのを待った


「…すっげー美味い」


「良かった~」


その一言を聞いてから、私も食べ始めた


「家で食べる時って1人だし
コンビニとかインスタントだから…
久々に手料理食った
愛梨ありがとうな」


首を左右に振った


嵐はあっという間に平らげた


「すごいね…私はもうお腹いっぱい」

オムライスを1/3ぐらい残した


「愛梨はもっと食った方が良い
痩せすぎだろ」


そう言いながら私が残した分まで食べてしまった


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