隣の席の君
玄関に向かい慌てながら
エレベーターに向かった


▼ボタンを有り得ないぐらい連打する


そんな事しても早く来ない事はわかってるのに

押さずにはいられなかった



早く…早く


早く来てよ




チ―――ン


ようやくエレベーターが到着して
震える手で1階を押した



エレベーター内にある鏡に映る私の顔は


顔面蒼白


血の気が一切なくなったように真っ青になってた





エレベーターが到着した後

大通りで手を挙げタクシーに飛び乗った


「すいません
かなり急いでください」


「わかりました」


行き先を告げた後
私が相当切羽詰っていたせいか
運転手のおじさんは無言で
スピードを上げタクシーを走らせてくれた





明君が電話で告げてきた事が
頭にグルグル回る



≪…嵐が刺された
総合病院に運ばれた≫


お願い…

…どうか無事でいて


すぐに明君が教えてくれた総合病院に到着した


私は財布からお金を出し渡すと
おつりを受け取らずに病院の入り口に走った

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