隣の席の君
「愛梨ちゃん!!!」


病院に入った途端
明君が顔面蒼白な顔で立ってた


明くんの顔…


「今手術中で…
この部屋で待ってるように言われたから」


そう言って手術室の隣の
部屋のドアを開けてくれるけど
私は赤いランプがついた下から動けなくなった


「詳しい事は聞かされてなくて…」


そう言いながら明君はドアを閉めた


「…愛梨ちゃん?」


「大丈夫だよね?
嵐は大丈夫だよね?」


頬に涙が伝わる



「…愛梨ちゃんを残して
嵐が居なくなる事は有り得ないよ」


涙を拭う事も忘れて
赤いランプを見つめて両手を合わせた


…お願い



「俺ちょっと連絡してくるわ」



明君はそう言いながら
来た道を戻り始めた



すごく静かな廊下


途端に心細くなった



お願いします

…神様

嵐をどうかお助けください


嵐が…傍にいてくれるなら

この先何も望みません


だから…お願い


私から嵐を奪わないで



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