ショータロー☆コンプレックス2
「はい。正確に言えば、俺も一緒に話を聞いてはいましたけど、まだ子どもだったからその当時はきちんと理解できていなかったんです。だいぶ月日が経ってからふいにその事を思い出して、改めて母に確認をして、情報の補完をしたんですけど」


「で、今回お友達…くろがねさんが熱を出して、それでとっさにここを思い出して連れて来たって訳か」


「そうなんです」


「でも、旧住所しか知らなかったのに良く迷わずに来られたわねぇ」


「いえ。やっぱり最初は中々見つけられなかったですよ。大通りをしばらくウロウロして、それで通りすがりの人に尋ねてみたら、大分昔に移転した事、そして今はこの場所で診療してるって事を教えてくれたんです。な?ショータロー」


「は?」


「いや~、親切な方がいて助かりました~」


意味不明の言葉に混乱しまくっているオレを華麗に置き去りにして、辻谷は先生との会話を続けた。


「都会人は冷たい、なんてのは偏見ですよねー」


「まぁこの辺は東京といっても中心地ではないからね。ところで、その思い出話をしていたのって、どなたなのかしら?すごく気になるわ。差し支えなければ教えてくれる?」


「先生が覚えてるかどうかは分かりませんけど……。小谷小夜子さんという方なんです」


「え!!」


その名前を聞いた瞬間、先生は目を見張り、興奮気味に声を上げた。
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