ショータロー☆コンプレックス2
「うそ。小谷さんて、あのさよちゃん!?」


仕事モードだからだろうけど、それまではすごく穏やかな話しぶりだったので、そのギャップにとても驚いた。


それだけ辻谷の言葉に衝撃を受けたという事だろう。


「彼女とあなたのお母様が、お友達なの!?」


「はい。その様子だと、覚えていたみたいですね」


「覚えてるも何も……。ずっと気になっていたのよ。ある日突然、急にいなくなってしまうんだもの。私としては、医者と患者さんと言うよりも、友人同士のつもりだったのに」


「……ああ、それは本人も気にしていました。きちんと挨拶できないままお別れする事になってしまったそうで。でもあの時期小夜子さん、相当バタバタしていたらしいんですよ」


完全に蚊帳の外に放り投げられたオレは、二人の会話に黙って耳を傾けていた。


辻谷の言葉の運び方に、この上ない違和感を覚えつつ。


「まぁねぇ。子どもを身籠ったとなったら色々準備が必要だし、しかも本人も想定外の事だったみたいだから、そりゃ慌ててしまうだろうけども……。あ、あの時の子は、もちろん無事に産まれたのよね?」


「ええ。今、大学生くらいの年齢になっているハズです」


「そう。それなら良かったわ。まだ安定期に入る前だったからね。その時期、ホントは体も心も穏やかに過ごさなくちゃいけなかったんだけど、まぁ、無事乗り切ったなら良しとしましょう」
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