ショータロー☆コンプレックス2
「母が言っていました。『小夜子さん、東京にいた時の事、すごく楽しそうに話してたね』って。きっとかけがえのない、良い思い出だったんですよ。つまり小夜子さんも先生の事、とても大切な存在だと思っていた筈です」
その言葉に、先生は感極まったような表情になり、ほんのり瞳を潤ませた。
辻谷は毒舌を吐いている時はこの上なくふてぶてしくて憎たらしいけれど、誠実で男らしい一面も確かにあって、それを垣間見た時に、何だかとても魅力的な男に見えてしまうし、語られている内容に説得力が増してしまう。
こういうのを、天性の人タラシって、言うんだろうな……。
「それで、俺が上京する時に母親に言われたんですよ。『ぜひ小夜子さんの思い出の場所に行ってみてあげてよ』って。だけど仕事が忙しくて中々その機会に恵まれなくて……」
「それは仕方ないわよ。この辺は特別遊ぶような所もないし。わざわざ休日潰して来るのもなんだかねぇ」
すっかり辻谷が気に入ったらしい先生はすかさずフォローの言葉をかけた。
「ですけど数週間前、母が近況確認の電話をかけて来て、その時にたまたま小夜子さんの話題が出たんです。ようやく仕事も慣れて来て、心にも余裕が出て来たし『近いうちに行ってみるよ』なんて話をしていたんですが、そしたら今回コイツが熱を出して」
言いながら、辻谷はオレの肩にポン、と手を置いた。
その言葉に、先生は感極まったような表情になり、ほんのり瞳を潤ませた。
辻谷は毒舌を吐いている時はこの上なくふてぶてしくて憎たらしいけれど、誠実で男らしい一面も確かにあって、それを垣間見た時に、何だかとても魅力的な男に見えてしまうし、語られている内容に説得力が増してしまう。
こういうのを、天性の人タラシって、言うんだろうな……。
「それで、俺が上京する時に母親に言われたんですよ。『ぜひ小夜子さんの思い出の場所に行ってみてあげてよ』って。だけど仕事が忙しくて中々その機会に恵まれなくて……」
「それは仕方ないわよ。この辺は特別遊ぶような所もないし。わざわざ休日潰して来るのもなんだかねぇ」
すっかり辻谷が気に入ったらしい先生はすかさずフォローの言葉をかけた。
「ですけど数週間前、母が近況確認の電話をかけて来て、その時にたまたま小夜子さんの話題が出たんです。ようやく仕事も慣れて来て、心にも余裕が出て来たし『近いうちに行ってみるよ』なんて話をしていたんですが、そしたら今回コイツが熱を出して」
言いながら、辻谷はオレの肩にポン、と手を置いた。