ショータロー☆コンプレックス2
病院に勤めた事なんかないけど、何となくそういう流れは想像がついた。


そんな事を考えている間に、先生は改めて辻谷に向き合い、言葉を発する。


「そういう訳だから、ごめんなさいね。今日のところはここまでで」


「いえ。こちらこそすみませんでした。診察の邪魔をしてしまって」


「ううん。思いがけない話が聞けて嬉しかったわ」


「こういう場じゃなければ、もっとお話できたんですけど…」


「そうね。あ、もし何だったら、休診日にでも訪ねて来てよ。隣が私の自宅になってるから。もちろん、あなたの都合が良かったら、だけど」


「……そうですね、機会がありましたら、ぜひ」


では、と会釈しつつ辻谷が出入口に向かって歩き出したので、オレも慌てて立ち上がった。


つーか、オレの事を心配して診察室まで付いてきた設定はもう良いんかい!


「あ、くろがねさんちょっと待って」


しかし、辻谷の後に続いて部屋を出ようとしたオレは、先生に呼び止められる。


「そっちで、喉にお薬塗ってもらってから帰ってね」


「え」


手で衝立の方を示し、にこやかに微笑みながら発した先生の言葉に、オレは一瞬固まってしまった。


次いでそちらに視線を向けると、一旦姿を消していた看護師さんが戻って来ていて、ニコニコしながらオレを見ている。


先ほど彼女が何やら準備していたのはそれだったのか…。
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