ショータロー☆コンプレックス2
「あ、あの」


オレはおずおずと切り出した。


「それって、絶対やらないと、ダメですか?」


「え?」


「実はオレ、喉に薬塗られると「オェッ」てなっちゃうんですけど……」


その瞬間の不快感が脳内で再現されて、条件反射で思わず目がウルウルして来てしまう。


「あらあら」


先生はちょっと困ったように笑いながら続けた。


「内服薬ももちろん効果はあるけど、やっぱり直接殺菌した方が治りも早いから、できたらそうしてもらいたいんだけど」


「大丈夫ですよ、ササッと終わらせますから」


看護師さんもすかさず優しい言葉をかけてくれる。


「小さいお子さんだって頑張れるんだから、くろがねさんも大丈夫ですよ」


……ここまで言われてしまったら、もう抗うのは難しい。


これで受けて立たなきゃ男じゃない。


つーかすでにかなりビビりで情けない面を見せてしまったけど。


それに、その薬代込みで診察代が計算されているんだろうから、今さらキャンセルなんかしたら余計な手間をかけさせてしまうだろう。


仕方なく、オレは衝立へと近付いた。


その間に、先生自らが待合室に顔を出して次の患者さんを呼び込む。


衝立内のスペースに置いてある椅子に腰掛け、看護師さんを見上げると、壁際のワゴン上に準備してあった、細長い棒のような物を手に取った。
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