ショータロー☆コンプレックス2
もし自分も田舎者なのにそれを棚に上げてそう言ったのだとしたら、それはそれでムカつくけど。


「……ふ~ん」


辻谷は顔を前に戻しながら、ポツリと呟いた。


「満更バカって訳でもないんだな」


「な!?」


「そうだよ。茨城出身なんて口からでまかせだよ」


辻谷は両手を上げて頭の後ろで組むと、開き直ったような口調で続けた。


「そういう事にしておかないと、話を聞き出すのに不都合だから。つーか、お前だって途中で気付いただろ?俺が何の目的でここに来たか」


「……仕事の、ため?」


「そうそう。ある人から、ある人の過去について調べて欲しいって依頼があってさ」


腕を下ろし、若干身を乗り出すようにしてこちらに再び体を向けると、辻谷は早口でまくし立てた。


「で、色々調査して行く過程で、この医院の院長は仕事柄、その人物に関する重要な情報を握っている確率が高いという結論に達して、どうにかして接触しようって話になったんだよ」


「……」


「医者には守秘義務があるからな。「調査会社の者ですが、〇〇さんの過去についてお話聞かせて下さい」なんて正攻法で行ったって、答えてもらえる訳がない。かといってプライベートで仲良くなるっていうのもなかなか難しいし、そもそも時間がかかるし」


「だから、手っ取り早く先生と話ができるように、診察室に潜り込めるように、誰か患者役が必要だったんだ」
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