ショータロー☆コンプレックス2
しかし辻谷に「酔った」というのはすこぶるシャクだったので、彼には真実を告げずに、オレはひたすらその不快感に耐え続けた。


「…この辺で良いのか?ショータロー」


何時間にも感じられた苦行の時が、ようやく終わりを迎えた。


『もう、いい加減ムリ』と思った所で車が停まり、辻谷にそう言葉をかけられ、内心かなり安堵しつつ、オレは目を開け、ノロノロと体を動かした。


しかし、窓の外を見て、そこはオレのアパートの前ではなく、その手前にある、比較的大きなスーパーの駐車場である事が分かった。


いくら土地勘があるとは言っても、ダイレクトにアパートを探しあてる事はやはり難しかったらしい。


でも、全然道案内をしなかったのにここまでたどり着いただけでも大したもんだ。


オレだったら絶対に無理。


それに、アパートの駐車場は部外者は停められない決まりなので、むしろここで降りた方が都合が良い。


アパートはスーパーのすぐ裏手で、徒歩で数10秒の距離だから、大した労力はかからない。


それよりも何よりも、今は早く外の新鮮な空気が吸いたくて……。

「おい、ショータロー。お前、顔真っ青じゃねーかよ」


「え……」


しかし、ドアを開けようとした所で辻谷に顔を覗き込まれながらそう言われ、思わず動きが止まる。
< 53 / 61 >

この作品をシェア

pagetop