ショータロー☆コンプレックス2
「しかもすげー脂汗かいてるし。また熱が上がっちまったんじゃないのか?」


言いながら、辻谷は焦ったように左の手のひらをオレのおでこにあてて来た。


その思いの外優しい手つきに、若干戸惑いつつ返答する。


「ち、ちが…。これは、車酔いしちゃったからで…」


「はぁ!?」


オレの言葉に、それまで若干下がり気味だった辻谷の眉は途端に吊り上がった。


「気分が悪いのに、我慢してたのか!?」


「い、いや、だって…」


「「だって」じゃねーだろうが!何で早く言わないんだよっ。このバカっ!」


「バ、バカだとぉ!?」


そのあまりの言い草に、それまで一定のテンションに保たれていたオレの怒りは、とうとう頂点に達した。


「何でお前にそんな言い方されなくちゃいけないんだよ!」


こうなってしまったら、もう自分でも止められない。


「早く家に帰りたかったのに強引に病院まで連れて行かれて、そのせいでますます具合が悪くなって、あげく車酔いしちゃったのに、何でオレが責められなくちゃならないワケ!?」


「あ、いや……」


「自分の仕事の為に、オレの病気を利用したくせにっ!お前にそんな偉そうな事言われるスジアイなんか、ないんだからなっ」


「分かった。分かったから」


自分に非がある事は充分自覚しているようで、辻谷は慌てて機嫌を取るように、左手でポンポンとオレの頭を軽く叩いた。
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