ショータロー☆コンプレックス2
「ごめん」


意外にも、辻谷はすぐさま素直に謝罪して来た。


「でも、まるっきりお前のこと、利用したって訳ではないんだぜ?お前の体が心配だっていう気持ちも、確かに俺の中にはあったんだから」


辻谷は神妙な顔付きで続けた。


「でも『どうせ連れて行くならあの病院だな、それなら一石二鳥だな』って、思った事も事実だ。それは否定しない」


バカ正直に明かされたその本音に、自分でも不思議だけれど、むしろオレの怒りは少しだけ和らいだ。


……そうだよ。


最初から、きちんと事情を説明してくれてれば、オレの気持ちもここまでこじれる事はなかったのに。


「ショータロー…?」


何も言葉を返さないオレに、辻谷はためらいがちに声をかけて来た。


「……もう良いよ」


言いながら、オレは改めてドアに手をかける。


そのまま降りようとして、自分がまだシートベルトを装着したままだった事に気付き、おっくうに感じながらもそれを外しにかかった。


「あ、待てよ。アパートまで送るって」


その様子を見ながら、辻谷は慌てて言葉を発する。


「いいよ。すぐそこだから…。それに、部外者の車が停まってると色々うるさいし」


以前、どこかの部屋の客が、他の部屋の住人の駐車スペースの前に車を長時間停めていて「出られない」と大騒ぎになった事があった。
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