ショータロー☆コンプレックス2
いつもなら1分もかからないくらいで移動できる距離だけど、ますます体のふらつきが酷くなってきたという事と、そんなオレにタイミングを合わせている辻谷の歩調も当然ぎこちなく、倍以上の時間がかかった。


「正太郎くん!?」


何とか、玄関のあるアパートの裏手まで来た所で、オレの部屋の前に佇んでいた人物から、驚いたように声をかけられる。


「ど、どうしたの!?」


「瑠美ちゃん……」


オレの方も心底驚きつつ言葉を吐き出す。


といっても心のテンションとは裏腹に、大分掠れて弱々しい声になってしまったけど。


「え?何でここに……」


「えっと、今日はちょっと早めに切り上げて、ミーティングがてら団長の家で焼き肉する事になって……」


戸惑いつつも、瑠美ちゃんは解説を始めた。


「それで、食材の買い出しをする事になって。それで私が、どうせだったら正太郎くんのアパート近くのスーパーに寄ってって頼んだの。どんな感じか様子を見てみたいと思って」


一生懸命話を続ける瑠美ちゃんを見ているうちに、オレは何とも言えない気持ちが込み上げて来た。


思わず、肩を抱いていた辻谷の手を乱暴に振り払うと、フラフラと瑠美ちゃんの傍まで行き、そしてそのまま抱きついた。


「え?あ、あの、正太郎くん!?」


当然のごとく瑠美ちゃんは面食らっていたけれど、その大胆さに、オレ自身もびっくりだ。
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