モテKingのターゲット
「噂の心配ですか?それとも…………ヤキモチですか?」
俺の顔を覗き込むように見上げて来た。
ヤキモチ?
俺が?
………そうなのかなぁ。
確かに、普段蘭の隣りに男がいる事自体皆無に等しいから、例え志垣さんでも一緒にいる所を見ると違和感を覚える。
でも、ムカッとはしなかった。
まぁ、微笑ましくも思えなかったが。
俺の気持ちを確かめるかのように、真っ直ぐ見つめられて………。
「あぁ、嫉妬かもな」
「へ?」
「別に苛々したわけじゃねぇけど、お前が男と一緒にいるのを見るのはいい気しねぇな」
「ッ?!………」
「それに、わざわざ噂を広めるのもどうかと思うし」
「………」
「何で、噂を煽るような真似してんの?」
「…………それは……」
普通の女子高生なら、変な噂が立つ事自体嫌がるのに。
彼女はそれを逆手に取るようにして、噂を助長しているとしか思えない。
だって、面と向かって暴言を吐かれても、1度も否定をしないらしいから。
否定しないって事は、肯定したのと同じだろ。
何で、そこまでして噂を野放しにしてるのか、理解に苦しむ。