モテKingのターゲット
尚も鋭い視線を向ける俺に、彼女は眉間にしわを寄せた。
「あの、……まだ何か?」
「お前に聞きたい事が山ほどある」
「聞きたい……事ですか。それなら、私も1つあるのですが」
「何だ?言ってみろ。先にお前の質問に答えてやる」
俺の言葉に一瞬躊躇った蘭だが、再び俺を真っ直ぐ見据えて口を開いた。
「普段の私じゃないのに、よく解りましたね?」
「あぁ、それか。それなら簡単な事だ。名前と学校名と学年でピンと来た」
「あ~なるほど」
俺の返答に納得した様子。
「あの、質問に答えるのは着替えながらでもいいですか?」
「あ?」
「もう時間があまり無いので」
「…………」
俺の言葉を半ば無視して、蘭は事務所の奥へと歩いて行く。
ロッカーに荷物を入れ、シャーッとカーテンを引いた。
何とも言えない空気が漂う。
これって、生着替えだよな?
女の裸なんて、腐るほど見てるのに。
何だろう………すげぇドキドキする。
「あの、聞きたい事とは何ですか~?」