いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
「春斗っ!」
駄菓子屋に走っていくと、そこには本当に春斗がいて、私の顔にも笑顔が生まれる。
「本当に近所なんだな。電話を切ってから、まだ5分しか経ってないよ」
「だってこの駄菓子屋、私が初めておつかいした場所だし」
私が笑ってそう言えば、春斗もやんわり笑ってくれた。
私と春斗の間に、なんとなく気まずい沈黙が流れる。
「あの子……仁奈さんだっけ?とっても可愛い子だったね」
私はなんとかその沈黙を破ろうと、ずっと気になっていた仁奈さんのことを聞いた。
「ああ、仁奈か。仁奈、声がすごく特徴的だったでしょ」
春斗は、楽しそうに仁奈さんのことを話し出す。