いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


『“石井の駄菓子屋”って分かる?今、そこの前にいる』

「あ、私の家の近所だよ、その駄菓子屋。ちょっと待ってて?すぐに行くから」


私はそれだけ伝えて電話を切ると、ラフな服装に着替えて、1階で夕食の準備をしているお母さんに言う。


「お母さん。石井のおばちゃんがしてる駄菓子屋に、高校の友達がきてるの。だからさ、ちょっと行ってくるね」


そしたらお母さんはにっこり微笑んで、


「もうすぐ7時だから、ほどほどにしなさいよ。気をつけて行ってらっしゃい」


って言ってくれた。


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