いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


……ううん、春斗には病気のことを知られてはいけない。


だって私、春斗が大好きだもん。


春斗の笑顔を、ずっと見ていたいもん。


好きだから、気持ちを伝える?


……いや、違う。


好きだからこそ、言えないよ。


春斗の傷ついた顔を、春斗の涙を。


私は、見たくない。


世界で一番優しい春斗には、笑顔が一番よく似合ってると思うから。


私は携帯の画面に春斗のメールアドレスを表示すると、文章を打っていく。


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明日、一緒にどこか行かない?

暇だからさ、
春斗と遊びたいなって思って。

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送信してしばらくすると、春斗からすぐに返事が返ってきた。


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