いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


靴は、今年買ったばかりのミニリボン付きのサンダル。


髪型も、今日の服装に合わせてゆるく巻いた。


……春斗に、少しでも可愛いって思ってもらえたらいいな。


そんな気持ちを抱いて、私は春斗のもとへと駆け寄った。


「春斗っ!」


私が大きな声で春斗の名前を呼ぶと、春斗は伏せていた顔をゆっくり上げ、私を見た。


そして私を見るなり、片手で自分の顔を覆うと、なにやらボソボソ呟いている。


「……春斗?」


不思議に思って、春斗のシャツの裾をクイッと引っ張ると、春斗は真っ赤な顔で私に言った。


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