月下美人が堕ちた朝

あたしは小さな声で聞き返す。

あたしが、病気?

カズヤはあたしを近寄り、再び優しく抱き締めながら耳元で言った。

「記憶をなくしたことは、昨日が始めてじゃないだろう?」

あたしは頷く。

「そうだろうね。
小さい頃から、良く話が噛み合わないことがあったから」

カズヤは更にあたしを強く抱き締め、苦しそうに言った。

「アミは多分、境界性人格障害だ」
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