大嫌いな社長に復讐を～子持ち家政婦の恋の行方は！？～修正済み。

ドアを閉めて背中越しになると
涙が溢れてきた。

私…母親失格だ。

美桜にトラウマを植え付けた上に
克服までさせてあげられなかった。

何も出来ない自分。

無力なのは、あの時に理解したはずなのに
母親としても無力だった。情けない。

これでは、捨てられるのも無理はない。

頬に涙がこぼれ落ちた。

私は、脱衣場から出てリビングに戻った。
ソファーに座るとボー然とする。

どれぐらいボー然としていたのだろうか？

アイツが美桜を抱っこしたまま
リビングに入ってきた。

「おい、何故。脱衣場に居なかった？
コイツを渡そうとしたら居ないから
大変だったぞ」

「…ごめんなさい。
気づかなかったわ」

「……どうした？
お前…様子が変だぞ」

異変に気づき私に尋ねてきた。

「……別に。自分の愚かさに
ちょっと呆れていただけよ」