過去恋に今の鼓動を重ねたら
「何って…」


時間が気になっていたからか、頭が混乱する。聞かれていることが即座に理解できない。だけど、必死で話した内容を思い出す。


「何か話したんだろ?」


「えっと…あ、恋愛と結婚は別物かどうかとか」


「へえ。なんて答えたの?」


「別ではないと思うと…」


雅也さんの瞳かいつもと違うように感じて、戸惑う。圭司とのことをただ探っているのかと思ったけど、なぜか狼狽しているようにも見える。

何だろう?

圭司と食事をしたということより、何を話したかが気になっているようだ。


「雅也さん?何が知りたいの?」


「いや、何も聞いてないならいい。今夜、行くよ」


「うん」


今夜来るなら、今夜話せばいい。とりあえず、仕事に戻らないといけない。



ガチャ


「キャッ…」


会議室を出たら、そこに圭司がいた。いつからいたの?と思ったら、手にはビジネスカバンがあった。これから出掛けるみたいだ。
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