はるのリベンジ



土方「お前、ちょっと来い!」



引きずられるように、土方副長の部屋に入れられる。



その後ろから、近藤局長、沖田組長、斎藤組長が入ってくる。




土方「座れ。」



私は、そっと、その場に、腰を下ろした。




土方「私闘は、切腹に値する。何で、刀を抜いた?」


はる「・・・。」


土方「答えろ。」


私は、全てを、報告しようと、決めた。



はる「部屋に、書簡があります。取ってきても、いいですか?それを、見ながらの方がわかりやすいと思うので・・・。」


私は、斎藤組長に、連れ立たれて、部屋に戻る。



掛け軸の裏の書簡を手にした。


斎藤「そんな所に、隠していたのか?」


はる「はい。でも、これは、まだ一部です。」



そう言って、土方副長らが待つ、部屋に戻る。



はる「土方副長。少し失礼します。」



そう言うと、一枚の畳を、剥がす。



土方「お、おい!何すんだ・・・。って・・・。こんな所に、隠してやがったのか・・・。」



はる「はい。ある意味、一番、安全ですから。」



沖田「へぇ。では、今度、発句集を調べるときは、そこも、調べないと。」


クスクス笑う沖田組長に、土方副長は、


土方「こんな所には、隠さねぇから、畳は、剥がすな。」


と言った。沖田組長は、きっと、剥がした後は、そのままになると、判断したのだろう。


< 138 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop