はるのリベンジ
それから、少しした頃、土方さんの遣いという人が来た。
はる「私で良いのですか?」
使者「はい。土方さんから沖田組長に言うか言わないかは、おはる殿が判断するようにと・・・。」
はる「はい。かしこまりました。で、何でしょうか?」
使者「近藤局長が4月25日に斬首されました。」
はる「斬首!?切腹ではなく斬首!?」
使者「はい。」
私は、詳細を聞いた。
何でも、坂本様暗殺の件で、幕府側が、窮地に立たされた責任だとのことだ。
坂本様は、幕府も政に参加できるような新政府の体制を作ろうとしていたが、暗殺されて、幕府は、権力を奪われたのだ。
だから、坂本様暗殺の疑いのある新選組局長を切腹ではなく、罪人に対する刑罰の斬首になった。
今の総司様には、受け止めきれない・・・。
はる「沖田組長には、黙っておきます・・・。今、言うと、彼の生きようとする気持ちが無くなります。」
使者の方を見送った後、私は大声で泣いた。
斬首だなんて・・・。武士として、あまりにも酷い。
そして、私が、総司様の部屋に行くと、私の顔を見て、不思議そうな顔をした。
沖田「おはる・・・。どうしたの?」
はる「え?」
沖田「目が赤い。泣いたの?」
はる「えぇ。少し・・・。」
総司様が、私を褥に誘う。
そして力ない腕で、私を抱きしめた。
総司様は、私が自分の死を思い泣いたのだと思ったようだ。
はる「総司様・・・。私、土方副長に文を届けるだけで良いのですか?本当は、沖田組長も一緒に戦いたいのではないのですか?」
沖田「・・・。」
私は、総司様を抱きしめた。
はる「その時は、土方副長に、二人で来ましたって言います。」
総司様は、コクンと頷いた。
はる「総司様・・・。」
私は、唇を重ねた。
ごめんなさい。私はあなたの大事な人の死を言えない。
ごめんなさい。
それから、少し経ち、総司様は、
沖田「ねぇ?近藤先生はどうされたのかな?お便りは来ない?」
と、よく聞いてきた。
私は、
はる「お忙しいのかもしれませんね・・・。」
と返す。
総司様が、幻覚を見るようになったくらいのとき、
はる「沖田組長!俺、沖田組長に悪戯を仕掛けました。あの世に行って会われて驚かれると思いますが、怒らないで下さいね?」
と言った。
総司様は、その後、うつろな目で庭を見ていた。
はる「総司様・・・。」
沖田「おはる・・・・・・おはる・・・・・・。」
と譫言を言うようになる。
そして・・・。
慶応4年5月30日。
総司様は逝った・・・。
はる「総司様・・・。総司様・・・っ。ぇっ・・・。えっ。ふぐっ。ふぇ。総司さまぁ!」
私は泣きに泣いた。
少しずつ冷たくなっていく総司様を抱きしめて泣いた。
そして、最後の口付けをした。
はる「総司様・・・。総司様のご希望を叶えに行きます。私もそうしたい。土方副長の所へ一緒に行きましょう。」
私は、総司様の髪の毛を少し切って、総司様が着ていた新選組の隊服で作った巾着に入れた。
総司様の葬儀に出て、総司様の姉上様のミツさんやギンさんに止めてられるのも聞かず、土方副長の元に急いだ。