艶麗な夜華
孤独の中で
「なんであたしが翔のお見舞いに来なきゃいけないのよ!」


土曜日の午前中。


目の前にはベッドの上でヘラヘラと笑う翔。


「いや~彼女がさぁ、友達と約束があるとかで見舞いに来てくれなくてさ~」


「だからってあたしを呼ぶの止めてくれない!


っていうか浮気でもしてるんじゃないの?


翔の彼女!」



嫌味たっぷりにそんな事を話すと、


一瞬にして翔の顔から笑顔が消える。



「えっ!そうなのかな?どうしよう?」



「知らない!」



あたしはバッグから財布を取り出すと病室を出た。



「俺、オレンジジュース!」



うっ…


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