艶麗な夜華
美しくも最低な男
「沙希……」



愛華が静かにあたしの名前を呼ぶ。



「愛華……あたし……


そんな事言われたら……


真に受けちゃうよ……」




きっと大人の女性なら、


サラッと流すのかもしれない。



でもそれができなくて、


このままだと……


また本気で愛華を好きになってしまう。




愛華は、あたしの髪の毛に触れるとそれを耳に掛け、


顔を覗かせる。





「真に受けても構わないよ」



その言葉に自然と体は反応し、


引きつけられるようにその胸に体がおさまる。




「愛華……あたし、ずっと愛華が好きだったんだ……」



初めて話した自分の気持ち。



でも彼は、それを受け入れてはくれなかった。
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