艶麗な夜華
「嬉しいよ……」



ただ、その一言だけ話すと、


愛華はあたしの体をそっと引き離す。




駄目……なんだね……




好きだった事を話したのは後悔していない。




でも、やっぱりそれは悲しくて、


愛華を好きになってはいけないってわかって、


あたしの体を引き離したその手は冷たくて、




「ごめんね愛華……困らせるような事言って……


あたし……帰るね」



こんな別れはあまりにも辛いけど、



「沙希、タクシーよ…」



走ってお店を出た。
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