艶麗な夜華
暗い路地裏。


メフィストフェレスと書かれた主張の小さな看板の前で恭也がくるのを待つ。


ふと見渡した辺りは静かで、


どうしてこんな目立たないところにお店を開いたんだろう?


なんて考えていると聞こえてきた足音。


「なにしてるんだお前」



低く不機嫌な声。


ドアに寄り掛かり下を向くあたしは、


見なくてもその人がどんな顔をしているかわかる。



「恭也が来るのを……待ってた……」


余裕なんてまるでない今、


飾る事もごまかす事もできない言葉は、


また更に彼を不機嫌にした。


「此処にはもう来るなって言っただろ?」


「だって……」
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