艶麗な夜華
そう話す彼の声が切なく、


なんだかその背中が凄く寂しげに見えた。



「ねぇ……」



その場に立ち上がると、


彼の背中に触れる。



すると彼は静かに、それでいて冷たい口調で話す。



「俺もまた、商品だ。


お前よりずっと価値のある商品。


床を触った汚い手で俺に触れるな」



「ご、ごめんなさい…」



慌てて手を離すと、


鋭い目を向ける彼。



「大口叩いておいて頭下げにきてんじゃねぇ。


自分が言った事だろ、


人に頼んでないで自分でなんとかしろ」



床に置いたバッグにポーチを入れ


なにも言わず店を出た。

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