艶麗な夜華
「だったら……」



あたしはバッグからメイクポーチを取り出すと、


カミソリを手に持つ。



「ハハッなにする気だ?」



笑いながら話す彼をにらみ付け、


袖を捲った。



「これで体を傷つけたら、


2ヶ月に延ばしてくれますか?」



バカげた事だとはわかっている。



でも、必死だったんだ。



彼はその場に立ち上がると冷たい目で見下ろす。



「商品に傷をつけるな。


価値が下がる。


お前はその体で金を稼ぐんだ。


家に帰って念入りに肌の手入れでもしろ」



彼はあたしに背中を向けるとカウンターに座る。



「なんでそこまで……冷たいの……」



「人に優しさなんて期待するな。


叶わなかった時、絶望するから。


今のお前がそうだろ……」

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