チューリップの花束に愛を込めて


どうして、


どうして、


こんなに近くにいたのに、亜季の想いに気付けなかったんだろう。




どうして、亜季の理解者になりたいと、亜季のヒーローになりたいと願った俺が、肝心の亜季の想いに気付かなかった?


どうして、亜季の苦しいときや悲しいときに傍にいられるようにと思ったのに、俺は亜季の傍にいない?




どうして、亜季にあんなことを言わせて。

亜季にあんな風に行動させて。




どうして、俺の恋の決着を亜季にさせたんだ…





“私はあなたの恋が上手くいくように応援します”


あの言葉に行き着いたとき。

あの言葉を俺に言ったとき。


亜季はどんな想いを隠してた?




なんで、今、亜季の傍にいないんだ…





俺は亜季がくれた花束を強く抱きしめた。





『…………亜季………』



夜空に吸い込まれていく、亜季の名前。





『………………ごめん………………』



俺は更に強く抱きしめ、その場に膝まづいた。




涙をこらえようとするけど、あまりの不甲斐のなさに俺は涙を止められなかった。



その場に座り込み、ただ、ただ涙が枯れるまで、その場で涙を流していた。














きっと、俺は


亜季のヒーローでもなく。

亜季の理解者でもなく。




ただ、亜季の傍にいたかったんだ。











もし、まだ、亜季の気持ちが俺に向いてるなら。




今度は俺が亜季に伝えたいことがある。







『…おばさん!』


俺は勢いよく、お店に顔をだし、亜季のお母さんを呼んだ。







< 32 / 41 >

この作品をシェア

pagetop