ダンデライオン
翌日の夕方。

「なすは10本あれば充分かしらね」

スーパーの袋になすを入れると、それを手に持った。

問題は忍兄ちゃんと言う難題だったけど、彼はお昼を食べた後に映画を観に出かけてしまった。

うん、結果オーライだ。

鬼の居ぬ間にと言うのはおかしいけど、出て行くなら今がチャンスだ。

「じゃあ、行ってくるねー」

「おう、頑張って誕生日を祝ってこいよ」

そう言ったお父さんに向かって手を振ると、私は家を出た。

朔太郎が住んでいるアパートに到着した。

このアパートの1階の角部屋に彼は住んでいる。

ピンポーンとチャイムを鳴らすと、ガチャッとドアが開いた。
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