夏のわすれもの
気持ちを伝えた俺に、彼女が少しだけ目を伏せた。

「――あたしを思ってた人、結構近くにいたんだ…」

呟くように彼女は言うと、伏せていた目をあげた。

「あたし…お嬢様だから、わがままかも知れませんよ?」

「構いません」

「嫉妬深いから、束縛するかも知れませんよ?」

「覚悟しています」

君が俺の隣にいてくれるなら、俺はその条件を全て受け入れる。

どんなにわがままだろうが嫉妬深いだろうが、君は俺が恋に落ちたただ1人の女性だから。
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