英雄の天意~枝葉末節の理~
「ラーファン!」
嫌な予感を覚えたナシェリオが影に近づくラーファンを制止する間もなく仕方なく彼の背中を追う。
距離を縮めるにつれて影は詳細な姿を現していった。
鉄のヘルメットに鎖帷子(くさりかたびら)の鎧と腰に提げられた剣は兵士だと窺える。
それを確認したラーファンの馬の足取りが心持ち速くなった。
「た、助けてくれ」
二人の姿を見た兵士も旅人だと安心したのか声を上げる。
本来、鎖帷子は板状の鎧の下に着けるものだがこの兵士たちは身軽にするためか金がないのか金属板の鎧は肩と腰回りのみに装着していた。
「どうしたんですか?」
馬を下りて近づくラーファンにナシェリオは再び制止する機会を逃し、馬にまたがったまま様子を見る事にした。
「仲間が怪我をした。傷薬か何か持っていないか」
隣の男を示す。
よく見れば怪我をしているであろう腕の先から血がしたたり落ちていた。
嫌な予感を覚えたナシェリオが影に近づくラーファンを制止する間もなく仕方なく彼の背中を追う。
距離を縮めるにつれて影は詳細な姿を現していった。
鉄のヘルメットに鎖帷子(くさりかたびら)の鎧と腰に提げられた剣は兵士だと窺える。
それを確認したラーファンの馬の足取りが心持ち速くなった。
「た、助けてくれ」
二人の姿を見た兵士も旅人だと安心したのか声を上げる。
本来、鎖帷子は板状の鎧の下に着けるものだがこの兵士たちは身軽にするためか金がないのか金属板の鎧は肩と腰回りのみに装着していた。
「どうしたんですか?」
馬を下りて近づくラーファンにナシェリオは再び制止する機会を逃し、馬にまたがったまま様子を見る事にした。
「仲間が怪我をした。傷薬か何か持っていないか」
隣の男を示す。
よく見れば怪我をしているであろう腕の先から血がしたたり落ちていた。