センチメンタル・スウィングス

「檀上」
「はい？」
「今度飲みに行ったとき、俺が骨付きチキンを美味そう、かつ上品に見える食べ方を教えてやる」
「いえ、結構です。私はいつもどおり、飲み会不参加ですので・・・」

と言いながら、私は山下さんをチラッと見た。
ここにいる女性は、私一人じゃないですよ、という意味を込めて。

それが所長に通じたのか。
彼は山下さんにニッコリ笑いながら、「おまえにはこの前教えてやったよなー？」と言った。
「そうですねー」と言ってる山下さんは、なんか・・・まんざらでもない、みたいな顔をして。

もうホント、和泉所長って軽い！
・・・ノリが。

でも、その軽さは、他の人だったら「馴れ馴れしい」と思うかもしれないけど、所長の場合は、そんな感じがあまりなくて・・・。

「はーい。じゃー会議終わりー」という所長の一声で、みんな立ち上がって、席に戻り始めた。