センチメンタル・スウィングス
「ちょ・・・!」

私は、囁かれた耳を反射的に抑えながら、つい間近にいる和泉さんを見て・・・心臓がドキンと跳ね上がった。

ちょっともう・・・ここ、事務所内で、みんないるのに!
私の耳だけじゃなくて、顔はおろか、手まで赤くなってると思うし!

ニマニマしている和泉さんを睨む私は、絶対恨めしい表情になってるに違いない。

「アレってなんですか」
「さあなー。ファンタじなさい!」
「そういえば和泉さん、まだ禁煙続いてるんですか?」
「おうよ」
「すごーい!節分の日以来だから・・・もう2週間目じゃないですか!」
「新記録!」
「楽勝楽勝!今度はおまえらが俺に奢る番だ!」

と調子こいて言ってる和泉さんを見ていた私の顔には、自然と笑みが浮かんでいた。

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