センチメンタル・スウィングス
「なんか誤解してるみたいだからハッキリ言っとくけど。こいつ、俺とつき合ってるんで」
「え!」と言いかけた私は、慌てて両手で口を閉じた。

今は和泉さん(このひと)に合わせなきゃ!

でも、当然ながら沢村さんは納得いかないようで、私の代わりに「え!」と言って、心底驚いた顔をした。

「でも檀上さん、あのとき、誰ともつき合うつもりはないって・・・」
「あーあー。こいつー、俺とつき合い始めたばっかりでー。えーっと、確か今日で5日目?それとも1週間だっけー。そんなだから、こいつ全っ然自覚なくて。もうすいませーん」
「あぁ・・・でも。檀上さん、子ども、生めないって・・・」
「それはホントです!」
「ていうかさ、だから何」
「は・・・い?」
「俺はそれ聞いても“だから何”しか思わなかったけど?沢村さん。あんたはそれ聞いて、躊躇したんでしょ」
「それは、その・・・だって、結婚することも考えて・・・」
「そこ、考えるポイントっすか」
「え。いや、まあ、そうだと・・・でも」と言いかけた沢村さんを、和泉さんは視線で制した。

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