喫茶の謎解き意地悪紳士2


「助けに来てくれて、本当は嬉しかったです!」

精一杯の笑顔で言うと、叶亜がフッと口元を引き上げた。

「君が死んだら、僕のおもちゃがひとつ無くなるだろ。無くす訳にはいかないんだよ。大事なおもちゃはね」

「……私、おもちゃなんですね」

叶亜が「当たり前だろ」と淹れたてのコーヒーを詩音に出した。

その隣にはミルクが二つ付いている。

「ミルク置いたんですね。」

前は『ミルクはコーヒーの本来の味を損ねる。』とかなんとか言ってたくせに。

「ああ。誰かがいつも隠してミルク入れてたからな」

ギクッと肩がとびはねる。

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