喫茶の謎解き意地悪紳士2


阿部が話終えると、叶亜がコーヒーをテーブルに置きながら、「納得いきませんね」と神妙な顔つきをした。

「だろ?」

「はい。阿部さんは僕の下僕ですから……。他の人にとられるのは、納得いきません」

「そこじゃねぇよ!!」

バンっとテーブルを叩く。

全くこいつも。人を何だと思ってやがる。

そう思いながら、叶亜の淹れてくれたコーヒーを飲むが、すぐに顔をしかめる。

「甘っ!!!!」

そのコーヒーの味は、メープルがたっぷりかかったホットケーキにホイップを一袋分のせて、その上にチョコクリームをかけたような……。

とにかく、とてつもなく甘かった。

叶亜はその反応を待ってましたと言わんばかりに、ニヤッと口元を引き上げた。

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