喫茶の謎解き意地悪紳士2
「ほんとにお前は……ん?」
意を決してコーヒーを飲もうとすると、後ろのコーヒー豆のビンが並んでいる棚の隣にある食器棚のひとつのコップが阿部の目に飛び込んできた。
雪だるまがプリントされた可愛らしいマグカップ。
「……お前、あんなの好きだったのか?」
「は?」
阿部がマグカップを指差すと、慌てた様子で叶亜がマグカップを奥に隠した。
なんかあるな。
長年、叶亜の親代わりをしていたんだ。
そのくらい、本能で分かった。
「お前……。彼女できたな?」
「生憎、僕は恋愛に全く興味ないんで」
叶亜がコーヒーを飲みながら一蹴する。