らぶ・すいっち
「ほら、京香ちゃん。それ仕舞ったらおしまいよ」
「あ……はい」
途端に元気をなくした私を見て、おば様たちは戸惑っている様子だ。
それもそうだろう。ここ最近俄然張り切っていた私なのに、今日は気配も感じられないほど意気消沈しているのだから。
(私……順平先生のこと、好きなのかな)
ここまで重傷の自分を見て気がつくだなんて、本当に鈍感だなぁと肩を落とす。
布巾で拭いていたお皿を棚にしまうと、安堵したようにおば樣たちが息をついた。
もし、順平先生が私に振られたと思って見合いを決意したのなら……私はこの気持ちをどこに持っていったらいいのだろう。
今さら順平先生に気持ちを打ち明けたとしても、すでにもう遅い。
小さくため息をついていると、視線を感じて顔を上げた。
視線の主は、おば樣たちで、どこか子供を見守るように優しい微笑みを浮かべていることに気がついた。
「え? どうしましたか」
私の顔を見つめるおば樣たちをキョロキョロと見つめていると、おば樣たちは自信満々にニッと口角を上げた。
「大丈夫だからね、京香ちゃん」
「え?」
そうそう大丈夫、と皆して私の肩を叩いていく。