らぶ・すいっち





 
「それを聞いて、嫉妬してしまいました」
「……待ってください、先生。合田くんは確かに元カレでした。だけど、それは高校生のときで……合田くんとはその……身体の関係はありませんよ?」
「え?」


 今日二度目の順平先生のビックリ顔。ポケッと口が半開きで、目は大きく見開いている。

 ちょっとマヌケな顔は、写メに撮っておきたいぐらいだ。
 そんなことしたら、確実にしっぺ返しが来そうなので絶対にやらないけど。


「順平先生、まんまと合田くんの挑発に乗っちゃいましたね」


 クスクスと笑う私を見て、順平先生は複雑そうに天井を仰いだ。

 そのあと、何かを思いついたように順平先生は私に視線を移し、ニッと口角を上げる。
 その笑みは、悪巧みを思いついた悪魔のようで背筋がゾッと寒くなった。

 これは危険。絶対に危険。
 逃げろというシグナルに違いない。
 しかし、相手はなんといっても“あの”順平先生だ。

 私が逃げる前に、先生はいち早く私の両手首を掴み、そのままベッドに押しつけた。
 クスッと妖艶に笑う樣は、本当にキレイでカッコいい。
 ボッーと魅入ってしまった私に、逃げる余地はない。


「では、彼に会ったときに対抗できるように、私しか知らない君の姿をもっと見せてください」
「え、ちょっと……ちょっと、順平先生!?」


 再び襲う、甘美な痺れに私は甘く声を上げた。





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