らぶ・すいっち
後日談 その対決は突然やってきた! 3







「っ!!」

 インターフォンのディスプレイを見て、思わず固まってしまった。
 まさかのまさかで……順平先生が扉の向こうにいる。


「ちょ、ちょっと……お父さん。誰か来たみたいだから、出てくるね」


 慌てて通話のスイッチを切り、お父さんに言い訳をしたあと、ダッシュで玄関へと向かう。
 急いでカギを開けると、そこにはスーパーの袋を持った順平先生が立っていた。


「こんにちは、京ちゃん」
「こ、こ、こんにちは。順平先生」


 なんでここにいるの、どうしてこんなタイミングで来ちゃうの。

 色々言葉に出して聞き出したいところだが、テンパりすぎて何が何だかわからない。
 固まり続けている私に、順平先生はいつものように私の頬にキスをしてきた。


「っ! じゅ、順平先生!?」


 今は絶対にマズイです。思わず叫んでしまった自分の口を慌てて押さえる。だが、私の慌てる様子を見て、順平先生の口角はニッと上向きになる。


「いつものことなのに、京ちゃんは相変わらず初々しい。可愛いですね」
「順平先生っ!」


 毎回毎回どうしてスラスラと悶絶セリフを言ってしまうのか、この人は。

 いつもの私なら、そこで抗議をするのだけど、今はそれどころではない。
 早く順平先生にはこの場から退散してもらわねば困るのだ。

 私は慌てて玄関の扉を閉め、順平先生が家に入ってこないように、自分の背でバリケードをつくる。



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