らぶ・すいっち
「むーかーつーく!!」
地団駄を踏む私に、同じグループのおば様たちは楽しげに見守っている。
私たちがいつものようにいがみ合っているというのに、おば様たちは「ほほ笑ましいわね」と、ゆったりと笑っている。
(全然、ほほ笑ましくなんかないですよー!)
何度そう言っても誰も聞いてはくれないし、あの男の評判が下がることはない。
それがまた悔しくて、私の中の蟠りは増していくばかりだ。
こうやって小馬鹿にされることは毎回のことだ。私だって充分大人の女と言ってもいいほど歳は重ねていると思う。
ゆったり構えて受け流す。そういう技をそろそろ身につけてもいいはずなのに、相手があの男となるとカッーと頭に血が上ってしまい、先ほどのような失態をしてしまうのだ。
教壇に立つ先生を睨みつけたあと、私は大きくため息を零した。