らぶ・すいっち
「私も遠慮したいですね。さすがにこの料理センスでは、私に死ねと言っているのと同じですよ?」
出た! 天敵!!
私は振り返り、怯みもせず失礼なことを言い放つ男を睨みつけた。
「煩いです! だからこうして料理教室に通っているでしょ? 腕が上がらないのは先生の責任じゃないですか?」
フン、と鼻を鳴らし腕組みをする私を見て、その男は負けずと鼻を鳴らした。
「よくいいますね。君の料理センスのなさを私に言われてもどうすることもできませんね」
「なっ!!」
確かにその通りだが、とても料理教室の講師とは思えない発言だ。
ギリギリと歯ぎしりをする私を横目に見たあと、その男は高らかに笑いながら他の生徒さんたちに声をかけていく。