らぶ・すいっち
震える唇で、私はなんとか言葉を絞り出した。
「個別レッスンはお休みって……それじゃあ、なんで合田くんにあんなこと言ったんですか?」
「……」
「どうしてですか?」
無言のまま、順平先生はまっすぐに私を見つめている。
その視線の強さに、私はもう……目眩を覚えそうだ。
順平先生は、メディアにもよく出ているし有名な料理研究家。
本だって何冊もだしていて、人気もある。その上、この容姿。誰もが振り返ってしまうだろう。
そんな人だからこそ、順平先生が受け持つ教室に入りたいという女の子が後を絶たないというのも頷ける。
その人が、今……私を至近距離で見つめている。
そのあり得ない状況に、目眩がしそうだ。