らぶ・すいっち
「レッスンがお休みなら……私、帰ろうかと」
この状況が居たたまれない私は、そそくさと逃げる準備に入る事にした。
順平先生の傍から離れようと横歩きして逃げようとしたときだった。
ダンという音とともに、私は順平先生の両腕に寄って閉じ込められてしまった。
所謂、これが壁ドンというやつでしょうか。
初めての出来事、そしてそれを自らが経験していることに驚きを隠せない。
それだけでは物足りないのか。順平先生は壁に手をついているだけじゃない。
私の足と足の間に、順平先生の右足も入り込んでいる。
この状況では、抜け出したくても抜け出すことができない。
慌てふためく私を見て、今まで無表情を貫いてきた順平先生の口元が緩んだ。
そして低く、腰にくるような魅惑的な声で呟いた。