Destiny
その日も芹に騙され、合コンに付き合わされていた。
人見知りの菜々瀬(ななせ)に合コンという場はかなり辛いもので、
店の外でほっと一息。
夜とはいえ、夏場は蒸し暑い。
どうしてこの街は、こんな時間でも人が多いのか。
眠らない街、という言葉の通りだと思った。
辺りはお洒落な、煌びやかな人間で溢れ、
呼び込みの声、喋り声と騒がしい。
煌々としたネオンは眩しいし、アルコールのにおいは好きになれない。
「…このまま帰ろうかな…」
どうせ芹は酔うと帰らない。
泊まりに来るだろうから、バッグを持ってきてもらって…
「あれ~おねーさん一人~?」
「!」