Destiny
「ふう…お待たせしました」
「あっ、マスター。お帰りなさい」
勇気を出して聞こうとしたのに、
遮られてしまった。
思わず肩を落とす。
「こちらのお嬢さんは落ちつきましたよ。
全て吐かせましたので」
「ああ、そうですか…やっぱり…」
「キョウくん、薬と水を」
「そこにあります」
「ああ、気が利きますね、さすがです。
少し寝かせて、起きた頃には自分で歩いて帰れるでしょう。
ですから安心してくださいね」
微笑みかけられたので、「ありがとうございます」と頭を下げた。
「キョウくん、片づけは終わりましたか?」
「できる所は。店回りはまだ見てないです」