Destiny
「それは良かったです。
…ふむ、キョウくんにはこういう風に見えているのですねえ」
「え?」
「ふふ、こちらの話ですよ。ところで、お名前を伺っても?」
「あっ、えっと、堀 菜々瀬(ほり ななせ)です」
「菜々瀬さん、ですね。よろしければまたお店にいらしてください。
芹さんと一緒に、お客さまとして。歓迎しますよ」
「絶対来ます!!」
キョウのこともあり、返答に力が入る。
ここで、はたと気がついた。
「あの、どうして芹の名前…?」
「先程ご自分で名乗られたのですよ。
何というか…ああ、そうです。口説かれまして」
「くどっ?!」